C96のお知らせ(訂正部分掲載追加)


女装と思想 Vol.9 訂正箇所

15頁下段末
誤: 二〇一八年
正: 二〇一九年

27頁下段末から3行目
正: 「バーチャル風俗嬢としても正式に」
27頁下段末から2行目
正:「開店した際にはぜひお越し下さいませ。」

論旨に直接影響を与えるものではございませんが、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。

—-

コミックマーケット96に参加します!
・自分のサークルは、3日目(日曜日) 西2 さ23b です!
・さらに、4日目(月曜日)は、バーチャルAV女優Karinちゃんのサークルをお手伝いします。 南キ07a

3日目 西2 さ23b テクノコスプレ研究会お品書き

・新刊『女装と思想 Vol.9』 500円

今回は、バーチャル特集第二弾として、バ美肉VTuberにスポットを当てています
【巻頭】VTuber運用システムLuppet開発者、ねぎぽよし氏&izm氏を招聘しての鼎談
【特別インタビュー】世界初のバーチャルAV女優兼風俗嬢Karin氏の思想に密着
・筑波大学学生まおまお氏による寄稿 女装を好きなAセクシャルの観点
・筑波大学助教くとの氏による寄稿 身体感覚、ASDと女装

・バーチャルAV女優/風俗嬢 Karin フレグランス 3000円

VTuber初の、発情ホルモン入りフレグランス・・・!

既刊: 女装と思想 Vol.1+2+3 Vol.4+5+6 Vol.7 Vol.8

ケムリクサと神話について(ネタバレ含む感想文)


僕がケムリクサを見始めたのは、11話放送後に友人からものすごいプッシュを受けた(実はそれよりも前からも勧められていたのですが、いろいろと忙しくて見る余裕がなかったという感じです)のが理由でした。
やっと、一段落したということもあり、見始めると1話からなんと面白かったこと……! ということで何に感動したかとか、どこではっとしたかなどを書き留めておこうと思いました。なお、幸いにも、作品を見始めるまで、ネタバレも事前情報もほとんど一切なかった状態です。

普遍性を描き出す物語
まず、僕はこの作品に先立つ「けものフレンズ」では、「人類の進歩」と「共生」……人類とは何かをテーマにしていたように思えるところでした。この作品があれほどの評価を受けているのは、人類に普遍的なテーマを、こまっしゃくれることなく、そして素直に賛美した作品であるからではないかと考えています。
そして、今回の「ケムリクサ」は、「生命の神秘」と「愛」を語っているのではないかと思っています(これについてあれこれ書くのは野暮だと思うので控えます)。けものフレンズが「人類」という普遍性を描き出していたとすれば、今回は「生命」の神秘を描き出したのではないかと思えます。
僕は、けものフレンズの時点で、かなり根源的な問いを物語りとしていたと思っていただけに、そのうえまさか今回は生命がテーマか……と視聴後の感動は何者にも代えがたいものがありました。

人工物と自然の奇妙さと美しさついて
僕は最初、りん、りつ、りなちゃんズやみどりちゃんに、強烈に奇怪な印象、というか気持ち悪い印象を受けたところです(私の弟も、初見で見たとき、りんちゃんたちが気持ち悪いと言っていました)。
わかばは人間としか思えなかったですし、より対照的に。
そのあとはムシが元々人間だったとかなのかなとか、りんたちは改造人間なのかなとか。廃墟と赤い煙と機械的な敵、味方もケムリクサもどこか不思議な奇怪さがあり、ずっと、底知れぬ不安感が残り続けていました。
徐々にりんたちへの嫌悪感は薄れていくのですが、その後は、人間が作り出した建物の構造の非自然的な奇妙さや不気味さ、そして、その対極でもある自然的な生物的なデザインの奇妙さや恐ろしさが増していくのです。エンディングの人工音声も、その世界観の気持ち悪さを引き立てます。
これは、僕が日頃から見慣れていた都会の風景が一転して恐ろしく奇妙なものに思えてしまったほどの衝撃でした(地下鉄で通勤していますし)。そして、いろいろと考えを巡らせて作品をみていたのですが……、それが最初に破られたのは11話でした。ここで、この作品がSF的な世界観に基づくことに初めて気づくのですが、その本当のストーリーのなんと純粋で、素直で素晴らしかったことか。
その後の12話は、皆さん知る限りですが、僕が最初に思った感想は、「SFラブストーリー」であり、そして「再生」と「生命の神秘」でした。その後、また第1話から見返すと、りんたちやその風景に感じていたどこかある種の気持ち悪さはなくなっていて、人間的な世界も、自然の世界も、作中も、そして実際の世界も、キラキラ輝いているように思えるというものでした。
エンディングテーマは、人工音声から肉声に変わる様は、あの方舟から外の世界に脱出することと重なり、偽りの世界から本来の世界への転換を描いていたと思います。
世界の見方を一変して変えて、そしてさらに美しく再構成させる……とんでもない体験でした。僕は2日間に分けて、1話から11話を一気見し、その翌日が12話だったのですが、もっとゆっくり味わいたかったところです。

廃墟同士がつなげる現実と物語世界
僕はこのケムリクサの世界観に自然に没入することができました。僕には舞台探訪(聖地巡礼)の友人が多いのですが、ケムリクサの舞台が日本各地にあるということだけは聞いていました。
そして、1話で見た軍艦島の光景。この時点のことを思い返してみると、軍艦島はそもそもこのような風景なので、他の土地がそこまで荒廃していることはわかりませんでした。というより、現実の廃墟から話がスタートすることで、スムーズに廃墟の世界に入ることができたのかなぁと。
そのため、ある程度日本全国の地理的な知識を持っていても、いきなり荒廃した世界を描き出す(例えばその後に渡る北九州工業地帯が荒廃している様子)よりも、よりすんなりと作品世界に入ることができたように思います。
これは、例えばバーチャルリアリティや、お化け屋敷において、作品の中に体験者が没入するときに、その前段として現実と虚構の橋渡しをする「何か」(たとえばTDLのホーンテッドマンションでは、並んでいる列がだんだんと暗い森に進んでいきますよね)が必要というのに近い気がします。

神話について
ケムリクサ考察班が、この作品が日本神話ではないのかとツイートしており、そのとき衝撃を受けました。
というのも、ずっと謎だったのが、九州をスタートして、東京がゴールだった点なのです。なぜこんな中途半端なことをしているのだろうと。ですが、日本神話として捉えると、天孫降臨の地は九州であり、かつ当時の日本という国の限界は関東のあたりまでだったためです。そして、その東には異国人としての東夷があり、征伐の対象だったのです。
そう考えると、意味不明だった物語はより理解されるところでした。2人の行っていた日本の3Dプリンティングは、国生みの神話に似通っていますし、最後に脱出する岩場は、黄泉平坂(ヨモツヒラサカ)であると思うととても納得します(より詳しくは考察班のツイートをご覧下さい)。
そして、何より感動的なのは、日本神話の悲劇を、美しいハッピーエンドに作り替えたことです。
日本神話では、2人の夫婦の神である、伊弉諾(イザナギ)と伊弉冉(イザナミ)は、イザナミが産み落とした神によって亡くなり先に黄泉の国へ行くのですが、それを追いかけたイザナギとけんか別れすることとなり、生と死とを象徴する神となり対立してまいます。
ですが、ケムリクサでは逆に、イザナミであるりんを、イザナギであるわかばがかばい、それを、りんが生まれ変わることで救いに行きます。そして、さらに生まれ変わったワカバとともに、黄泉の国=偽りの世界を抜けて、ヨモツヒラサカから現世=本当の世界に舞い戻るというストーリだと思うところです。
そう考えると、あの方舟の中の世界がの地獄の様相は、そこが黄泉の国だからというところで合点がいったのです。

たばこについて
愛する人のたばこの匂いが忘れられないって、はかなくて素敵じゃないですか。最近の嫌煙ムーブメントによって、たばこを使った表現はほとんど見られなくなってきましたが、古風でいいなぁと(たばこの強い匂いは記憶に強くのこりますよね)。
さて、この作品の中でのケムリクサは強い生命の象徴となっていましたが、たばこの原産地であるアメリカ大陸でも、たばこはネイティブインディアンによって聖なる植物として扱われています。
とくに、印象的にのこっているストーリーとして、病やけがをしたときに、長老がたばこの煙を吹きかけて、邪悪なるものを払い、生命の息吹を吹き込む意味があるというものがあります。
最近では、たばこは悪のように扱われていますが、もともとはたばこは生命の象徴であり、その植物だったのですよね。そして大人の男性の象徴でもありました。しかし、体をむしばむことももちろんある、という。
同じように、聖なる植物に、お茶がありますがこちらは、なんだか生命というテーマにはしっくりこない気がします(とばいえ、ちゃんと作中にお茶が出るあたりすごい)。だからこそ、生命の息吹というテーマにおいて、たばこというのはまさにぴったりだと、非常に感動しました。
また、後から知りましたが、実際にたばこの葉の薬効として、解毒、鎮痛、止血の効能があるようですね。まさに神秘の草です。
あと、たばこの銘柄に「わかば」がありますが、旧3級品という安いたばこであり、とても重たく強いにおいがして、あとは貧乏学生などが吸うイメージがあるような気がします(同僚はおじいちゃんが吸ってるイメージとも言ってましたが)。だから、吸っていたたばこが「わかば」だとすると、りりが臭いといっていたのもわかるし、結構苦労人で、不健康なんじゃないかなぁと頷けるなと思うところでした。

質量感とサイズについて
僕はずっと、この転写された世界は現実の僕らと同じサイズだと思っていました。そして、それを補強する材料となっていたのは、11話でりりが転写されていたの実寸大であり、それと対比すると建物なども同じサイズで作られていたと考えていました。
ですが、ケムリクサ考察班が実はすべてがミニチュアサイズではないのかというツイートをしており、それを見て、確かに!と思うところでした。というのも、思い返してみると、わかばが第1話でふっとばされたり、いろんなところでかなり強い衝撃を受けていたとしても、意外とけろりとしていたりと、サイズが小さければ小動物や虫と同じようにそのくらい平気なのかもしれないわけで、とても納得したところでした。
さらに、キャラクタたちの動きも、確かに小さいとすると納得するようなところもあります。
これが本当にそうなのだとしたら、これは、3DCGだからこそのマジックなようにも思います。つまり、サイズ感が小さいか大きいかは、普通ならば書き込みの多寡で差異をつけられてしまいそうなものですが、キャラクタが3DCG(ベクター的な表現)であると受け手のなかでその縮尺は自由に解釈されるのかもしれないと思えるところです。

あとは、僕は船が宇宙船(?)全体のことだと11話で気づいていたのですが、それって少数派なのでしょうか。ほかにもいろいろありますが、とりあえずこのへんで。

とりあえず、なんて感動的なのでしょうか。神話もある種の普遍的な意味を持つものですが、そのような要素が本当に含まれていたのだとすれば、神話とSFを組み合わせ、そしてそれをまた新たに組み替えて新たな普遍的なストーリーを作り上げるというのは、本当に並大抵のことではないと思います。この作品に出会えてよかったです。

冬コミC95頒布のお知らせ:特集「バーチャルと装い」(3日目L01a)



1月7日追記:通販開始しました
とらのあな(新刊・既刊)
https://ec.toranoana.shop/tora/ec/cot/pages/all/item/2019/01/09/00001/

メロンブックス(新刊・既刊) https://www.melonbooks.co.jp/circle/index.php?circle_id=32710

まんだらけ(新刊のみ) https://order.mandarake.co.jp/order/detailPage/item?itemCode=1103658698&ref=1103658737

テクノコスプレ研究会
(C95:3日目:東1:L01a)
専門同人誌『女装と思想』。今回は、VRの一線で活躍する方へのインタビューなどを通じて、バーチャルの最前線を思想的に特集します。業界紙より業界紙を目指して。
木村牡丹さんのCD(委託)。木村さんご本人が12時以降(予定)頒布します。


新刊(同人誌):
「女装と思想 Vol.8」頒価500円。
:特集 バーチャルと装い

見本は下記サムネイルをクリックしてください

特集1:商業稼働VR「ハッピーおしゃれタイム」開発者と、キグルミ研究者、女装者による対談。「仮想な受肉とリアルな受肉」
chiepomme × すくみづ × あしやまひろこ

「オッサンでも美少女になれる」と2017年夏から秋にかけて話題となった作品「ハッピーおしゃれタイム」。その開発者chiepomme氏と、サークル「わがはじ」主宰のすくみづ氏を交えた夢の鼎談。今回は、両氏に新宿VREXにて当該ゲームを体験して頂いたあと、すくみづ氏が所持しているキグルミを実際に体験してもらった。chiepomme氏いわく、「私、可愛くなってる!?」「キグルミは未来のVR?」。身体と実在感、理想と虚構が織りなす豪華特集。

特集2:木村牡丹氏独占インタビュー。通称「バーチャル蠱毒」こと「オーディション極」の体験記。
木村牡丹 聞き手:あしやまひろこ エン129

通称バーチャル蠱毒。2018年末(一部の)VTuber界隈、xR界隈を震撼させた企画だったが、多彩な参加者(そして転生者)、そして運営による公式転生プロジェクトという形をもって、見事な大団円を迎えた。その企画において、ひときわ異彩を放つ存在が、「ユイ姉(結目ユイ5番)」。その彼女を構築した異才、木村牡丹氏が語る、バーチャルな存在における、現実感の演出方法。そして、オーディションの感想。

特集3:論考「リアリティを作る」
筑波大学人文社会系助教 くとの

哲学系の大学教員による、リアリティ、そして異性装の構成に関する論考。
筆者紹介:「作る」ことで本業の学問を拡張・進化させようと考えている。本業は思想系の研究者。初音ミク電飾ウエディングドレスに端を発する「作る人文学」をニコニコ学会βやMaker Faire、ニコニコ技術部などで発表。ニコニコ学会βでは運営委員長を務め、2017年4月に文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)を受賞。

その他掲載:
・「本書でVRを取り上げる意義に関して」
・VRに関して自称有識者が語るコンテンツ

お詫びと訂正(2018年12月27日)
本書につきまして、内容に掛かるものとして下記の訂正がございます。ご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
6頁8行 古代動画の壁画 →古代の壁画
32頁上段2行 レインボーパレード →臺灣同士遊行(台湾LGBTプライド)
58頁キャプション 日本大学藝術学部→日本大学芸術学部


木村牡丹氏CD:(※委託)

オーディション極(バーチャル蠱毒)にて「ユイ姉」を演じた木村牡丹さんのCD。ユイ姉が歌った歌や朗読も再収録・リマスタリングで収録。
※午後12時以降に頒布開始予定。

親愛なるユイ姉さん。バーチャル蠱毒に舞い降りたその人について。


ここ数日、一部界隈を賑わした通称「バーチャル蠱毒」こと正式名称「最強バーチャルタレントオーディション~極~」。私はこの熾烈な競争の中で、一つの輝きに魅了されている……それが「ユイ姉」さん。

このエントリを読む気が無い人は、とにかくユイ姉の放送を一度聞いてください!
アーカイブは12/9日までの公開……、聞いたり保存したりするのは今しかないのです(汗)

過去アーカイブ https://www.youtube.com/channel/UChso0ZR4LK3I8-O9CbybMiA
SHOWROOM https://www.showroom-live.com/yui-005 

聞けばヤバさが分かるはずです。
もっとずっと、これから先もユイ姉のお話を聞きたいのです。
なので、ユイ姉の応援お願いします!。


バーチャル蠱毒を知った当初はこんな感じで酷いなぁとか、怖いなぁとか思いながらも傍観しようと考えていたのでしたが、候補者たちが自らあだ名を名乗り始めたり、消えたくないと言葉をつづったりしているうちに、どんどんとこの企画に興味を惹かれていくのでした。

そして何人かの候補者の配信を聞きつつ、最後に聞いてみたのが「結目ユイ」の候補者5番――「ユイ姉」――の配信でした。その時の私のとっさに出た感想がこちら。

とんでもなかったのです。他の候補者さんの多くは、ユーザーのコメントを拾って会話するだけのことも多いのですが、ユイ姉さんの配信は全然違いました。知的好奇心をド直球に刺激してくるのです。正直、ここまでの人がなぜ「バーチャル蠱毒」なんかにいるんだ!?!?と混乱しました。

私はその日、ユイ姉による森鴎外『高瀬舟』の朗読解説が終わった直後くらいに聞き始めたのですが(……そもそも『高瀬舟』の朗読だと!? なぜその選択なんだ!? と思ったわけですが)、ユイ姉さんは「最近読んだ本を紹介したいと思います」と前置きした後に『AI vs. 教科書が読めない 子どもたち』を取り上げ始めたのです!

この本は私の書架にもありますが、NIIの研究者である新井紀子氏が人工知能の研究をする過程で、人間の思考・理解力を探ってみると、少なくない人間が短文を理解できていないことに気づいたというセンセーショナルな発見を主軸に、理解することの重要性を説くのですが……と、ともかく、Vtuberの公開オーディションでこの本の話題が出るのか!と驚いたわけです。

しかもBGMはユイ姉さんの自作曲。配信のEDで生歌を披露されましたが、これも自作曲。なんて多才なんだ!! しかも、彼女自身も執筆活動をしており、後にそれを朗読するという!!

私は別にVtuberをナメていたわけじゃ決してありません。ですが、今主流のVtuber、ひいてはYoutuber全体の雰囲気は、どちらかといえば軽いバラエティ番組のような、感覚的な娯楽が多いように感じていましたし、今でも感じています。

それらも私は否定しませんし好きですが、「ユイ姉」は他の誰とも全然違うのです。その清らかな声はまるでFM放送のアナウンサーのよう。そして次から次へと展開する話題は、科学技術、文学、政治、経済、ゲーム、アニメまで。決して生半可な知識のひけらかしではなく、そこにいるのは純粋な知的好奇心と探究欲にあふれ、確かな経験と知識に基づいて語り掛けてくれる、5人の弟を持つ優しいお姉さん「ユイ姉」なのです。

おおよそ、これこそが教養と芸能だと感じたのです。

ユイ姉さんは確かその時の放送で「見てもらった人がタメになるような放送がしたい」と話していたような記憶があります。そうなのです、彼女の優しくて弾むように語り掛ける声は、学ぶ喜び、知る喜び、芸術を愛する喜びを教えてくれるのです。

彼女のことは放送やTwitterでしか知りません。今は大学で物理学や計算機などを研究しているようですが、物語とゲームが大好きなようです。小説を執筆して、オリジナル曲を作曲をして、中学生のころに英語で『方法序説』(ルネ・デカルト)を読んだ感想を話したり(ユイ姉曰く、翻訳と原典では単語の意味がズレたりして哲学を学ぶ上では障壁になるが、英訳はズレがすくない。原典を読みたいこともあり、フランス語も勉強中)、桜桃忌に盛り上がるのはいいが隣の森鴎外の墓を荷物置き場にするなと釘を刺したり、彼女が大好きな量子力学の観測問題やポケモン不思議のダンジョンをキラキラと語る、、、と、ほんの数日放送を聞いただけですが、ユイ姉の魅力は語っても語り切れない感があります。

だから私は応援したいし、これからもお話が聞きたいのです。

 

最後になりますが、バーチャル蠱毒について、何だこの企画、やべえな、と感じましたが、登場プレイヤー、そしてそこからつむぎ出される物語が奇跡のようにすごいのです。「ユイ姉」の他にも、ルールを熟知して風向きを変えた「九条林檎」の5番、運営に反抗する「黒しらす」、「未来でまた会おうね」と、「ユイーン」に挨拶をして去った「クロミぜろつー」、そして勝利を誓う「ユイーン」、留年をかけてレポートを書き上げる「九条林檎」の8番などなど。参加者みんなが愛おしいのです。

セリフもト書きもない、リアルなオーディションだからこそ生まれたであろう、奇跡のような舞台なのです。ある人が、この企画参加者をまとめたリストを「バーチャルペトリ皿」と命名していましたが、いい得て妙だとも感じました。生命の進化やドラマは偶発的に起きるし、それこそが生物だと感じるのです。そして、このオーディションの参加者のほとんどは、死が運命づけられているのです。ですが、クロミゼロツ―は転生を予言して消えましたし、「ジョア」は結目ユイたちが戯れる姿を愛するのです。

ですが、それは実現し得ないのです。終わりは刻一刻と迫っているのです。参加者たちの存在や記録は消え、その姿は我々の記憶の中だけに残るのです。

私はここに、ギリシアの「死すべき人」と「不死なる神」あるいは中世ヨーロッパの「死の舞踏」、もしくは極楽浄土、そして輪廻転生を感じさせられるのです。ギリシア語で魂を表すプシュケーとは、息に由来し、その息が作りだすのは、吹き込まれる声なのですから。例えば、映画『空気人形』で人形が魂を持ったのも、息を吹き込まれたからにほかなりません。だから、Vtuberの中を「魂」と形容しているのも当然なのかもしれません。

未来でまたみんなと会えることを祈って。しかし願わくば、この楽園が永遠に続けばよいのにと思いながら。


【おまけ】なぜバーチャル蠱毒が生まれたのかについての私見

詳しいことは末尾の参考URL先に譲りますが、この企画を簡単に説明すると、芸能事務所、配信事業者、画像交流プラットフォーム三社が共同して行うバーチャルタレントのオーディション企画です。

SHOWROOMでは、以前から似たような形式で(普通の/生身の)アイドル公開オーディションが行われているようですが、普通のアイドル候補生であれば、当然、生まれ持った顔と名前があるわけですし、蠱毒なんかにはならないわけです。

ですが今回は、キャラクタと魂(演者)が分離不能な性質を持つバーチャルタレント(いわゆるVtuber)であるにも関わらず、そのアイドル候補生選抜と同じような選抜方法を取ったようなのです!(※) そのために、「アイドル公開オーディションの手法」×「Vtuber」が掛け合わさることによって幸か不幸か「蠱毒」と化してしまったのでしょう。
(※オーディション極の注意事項には「・金銭、物品、その他プレゼント(チェキ、お礼カードなどは除く)を視聴者に贈り応援を促進させる行為は禁止します。」とう項目があることから分かる。Vtuberのチェキって一体何なんだ!?)

でなければ、九条林檎の5番さんがNDAを交わしてないといい始めたりすることもないでしょうと思ったわけです。

【参考URL】
オーディション極について
・オーディション募集ページ https://avatar2-0.com/kiwami/
【バーチャル蠱毒】「同じ顔と名前のvtuberが一斉デビューし負ければ消滅」前代未聞のオーディションに「デスゲーム?」「怖すぎる」

夏コミC94の新刊のご案内


新刊:
「「Vtuber」についてそれなりに見識のある人たちが考えてみた冊子」
頒布価格:お気持ちで
内容の量:8000文字程度。

内容紹介:
広告代理店に勤務しつつ、表現芸術やら文化人類学やらいろいろやっているあしやまひろこと、光る衣装の開発や、様々なガジェット、そして「ゆかり温泉」のシステム開発をしていたen129による、Vtuberに関する談義。

目次
・はじめにと、それぞれの初体験
・VtuberとYoutuber
・Vtuberと声優やアイドルの違い
・見た目の障壁が無いVtuber
・男女とVtuber
・見た目を構築する
・バーチャル
・演じるVtuberと技術障壁
・破綻のない虚構
・一時創作文化としてのVtuber

既刊:女装と思想 Vol.7 500円

どうでもいいんですが、表題に設定すると文字が勝手に大文字になるんですね……

冬コミC93『女装と思想』Vol.7 お知らせ


 

コミックマーケット当選しました

今年は3日目(日曜日)東ニ37b です
おしながきとして

新刊  『女装と思想』Vol.7 予価500円


目次:
『スカートの中はケダモノでした。』 
①著者 ハナマルオ先生と語る 想像と創造の女装男子
 鼎談:ハナマルオ(漫画家)
   あしやまひろこ(会社員、筑波大学人文学類卒)
   担当編集T(漫画編集者
②付論 今、ティーンズラブに女装が描かれること
 あしやまひろこ
③超ジェンダーの願 ――浄土に性別はあるのか?――
 鹿音のん(真宗大谷派僧侶)
④女装という思想
 くとの(筑波大学人文社会系助教) 
⑤装うことと撮ること
 くまのん(フォトグラファー・ライター)


 内容詳細紹介

①『スカートの中はケダモノでした。』 
 著者 ハナマルオ先生と語る 想像と創造の女装男子
 鼎談 by ハナマルオ × あしやまひろこ × 担当編集T 
・巻頭特別特集『スカートの中はケダモノでした。』作者、ハナマルオ先生、担当編集Tさんへの独占インタビュー。「想像と創造の女装男子」。アニメ化もされた今年一番熱い、ティーンズラブ女装男子/男の娘作品について、どのような切っ掛けや思いで作られたのかをお聞きしました。 

②付論 今、ティーンズラブに女装が描かれること
 by あしやまひろこ 
・なぜ今、女装作品が生まれ、ティーンズラブ作品として現れたのか ?時代の求めとはなにかを、取り換えの物語として大ヒットした『君の名は。』の企画書(新海誠展にて公開された)を絡めながら、論考します。

③超(トランス)ジェンダーの願 ――浄土に性別はあるのか?――
 by 鹿音のん 
・女装の僧侶(浄土真宗)、鹿音のん氏による、「超(トランス)ジェンダーの願 ――浄土に性別はあるのか?――」。『仏説無量寿経』の第35願文「女人成仏の願」を独自の解釈により解説し、「超(トランス)」ジェンダーという考えの大切さを語ります。 

④女装という思想
 byくとの 
・筑波大学人文社会系助教(宗教学・人文情報学)、くとの氏による「女装という思想」。「LGBT等に関する筑波大学の基本理念とガイドライン」の策定に当たって、女装者という立場から考えたこと、そして、またその半生を振り返り、女装は思想に行き当たらざるを得ないとの考えを示す。 

⑤装うことと撮ること
 byくまのん
・写真家として活動をしていたくまのん氏が、幼少期より淡い憧れを抱いていた、女装を始めたことによって、自身に起こった変化を記す。撮るもの撮られるもの、その両者を経験したことによる、体験からの思想。

ほか。

既刊 これまでのまとめ本 僅少
既刊 地域振興研究本 僅少

追伸 別件のデジタルサイネージの研究は今こんなかんじです。
気になるかたは当日どうぞ!

Let’s note (CF-MX4GDKCS) でCPUのクロックが上がらない問題の解決


いろいろあってPanasonicのCF-MX4GDKCSという、core i3 搭載の官公庁向けモデルのLet’s noteを手に入れました(稼働時間400時間程度のほぼ新品)。これまでLenovoのX220を使っていたのですが、重くて背負うと肩こりに悩まされていたので、ちょうどよかった考えていました。(キーボードはX220が好みなのですが、重さが……)

ですが、ここで大問題がありました。
バッテリー駆動時に、なぜかクロック周波数が0.6GHzに固定されてしまうのです。

Windowsの電源管理項目について、レジストリを書き換えて全項目出してから、すべての項目をいじっても効果なし。再セットアップでWin7やWin8にレストアしても、Win10をクリーンインストールしても効果なし。BIOSアップデート、電源管理プログラム(機械側の)のアップデートをしても効果なし。BIOSについては、そもそもCPUの設定項目すらありません。CPU-Zで挙動を見ていると、電源に接続したときはクロックが2.1GHzまで上昇するものの、電源を抜いた瞬間に0.6GHzに固定されるようです。

ダメ元でPanasonicの相談センターに電話してみたところ、丁寧にご対応いただけたのですが、core i3 モデルが手元になくて調査できないということと、通常そのような挙動は考えにくいが、BIOSでは設定項目もないし、主に官公庁向けモデルなので、何等かの制限があって“仕様”なんじゃないか、という回答をもらいました。

仕様って……orz

しかし、いろいろと調べてみるとなんとなく似たような状態の記述を発見
Let’snote S10にWindwos10をインストール:Arbitrary Tech
http://arbitrarytech.blogspot.jp/2015/08/letsnote-s10windwos10.html

どうやら「ThrottleStop」というソフトでCPUのクロックを強制的に上昇できるということで、一縷の望みをかけてインストール。
ソフトはこちら https://www.techpowerup.com/download/techpowerup-throttlestop/
そして、CPUの様子をみてみると「Disable turbo」という項目にチェックが入っていることを発見。

外してみたところ、みるみるクロックが上がるではないですか。

(画像の赤い〇の部分です。画像はチェックを外した後の様子です)理由は不明ですが、バッテリ駆動時は、インテルのCPUに対して、ターボ機能(と一緒に、通常の範囲内でクロックを上げ下げする挙動にも影響?)を無効にするようにデフォルトで設定されているようです。
そして、ThrottleStopを用いて、Turboを有効にしてあげると、バッテリ駆動時でもクロックが通常通り変動するようになりました。

このソフトは管理者権限が必要なので、
https://pc-karuma.net/windows-10-task-schedule-without-uac-prompt/
この辺をつかって、自動起動に設定しとくと便利です。
ThrottleStopは、一度起動させれば、設定すればTurboば有効になりっぱなしにできるようなので、途中で終了させても問題なさそうです。(たまに無効になっているときがあるので、私は起動しっぱなしにしていますが)

Panasonicがなぜこんな仕様にしたのか謎ですが(バッテリ持ちのためかな? あと、官公庁モデルなので何か特別な事情があるのかもしれません)、一応回避方法を発見したということでご報告です。

<追記>
いろいろとコメントをいただいたので引用しつつ紹介します。

ということらしいので、インテルのCPUの問題っぽいです。
そして、このページの事象についてはブログにて紹介してくださっており、

「以下は私の仮説です。cTDPやターボブーストは、「このCPUを装着したとき、この機能は有効、この機能は無効」という情報を、BIOSの変更できない領域へ、PCメーカーが開発時に設定しておくものと思います。原因がこの設定ミスとするなら、同じシリーズ内でも特定のCPUを搭載した機種でしか症状が出ない事になります。この場合は同機種の同構成ならば、個体差では無く必ず症状が発現する事になりますが、私のLIFEBOOKのように関係なさそうな設定も症状に関係してくるとなると、実際に症状が出る個体はあまり多くないのかもしれません。」

とこのLet’s noteの件についても考察して下さいました。
【PC不具合】CPUクロックが上がらない:MEMchro++
http://mem96.moe-nifty.com/clock/2016/09/pccpu-8602.html
なお、このページでは FUJITSU LIFEBOOK WS1/W で類似の症状がAC電源接続時のみ発生したことが主に紹介されており、原因は富士通のバッテリーユーティリティソフトの設定だったとのことですが、このように他の何かの設定も絡んでいるとすると、ますます素人が解決するには難しそうです。

あと、そもそも core i3 はターボブースト対応してねえよという突っ込みもありましたが、確かにその通りなんですが、とはいえThrottleStopで、Disable Turboを解除すると、普通にクロックが上昇するので、もう細かいこと考えるのはあきらめました。
ですが、こんな可能性もある、ということで……。

インテル謹製の純正OCソフトでは、やっぱり制御の改善は不能でした。

最後に、勝手な憶測ですが、i3搭載モデルは、官公庁/SOHO向けで、ほとんど市販されていないモデルなので、不具合報告とかも特に無いんじゃないかと思います。
そして、これももう単なる憶測なんですが、通常i5を搭載する機種に、都合により(?)i3を乗っけているので、なんらかの不具合がでてるのかなーと。
とりあえず、上述のソフトを使って強制的にCPUをたたき起こせば使えるので、(譲り受けたものだし)道具として使う分には満足なので、別にいいのですが、普通のユーザーがこれに遭遇したらかなり困りそうだなとは思いました。

C92のお知らせ(沼津市あげつち商店街・各店舗からのインタビュー本)


3日目 U52b テクノコスプレ研究会
新刊 A5 400円(予定) 34ページ

書籍名

TCC 地域研究シリーズ2 アニメ舞台と地域社会
「あげつちノート①」 静岡県沼津市あげつち商店街からの聞き取り調査①
・つじ写真館 様 ・ノーブル 様 ・グランマ 様 ・浜忠 様 より

内容紹介

2016年夏より、沼津でのフィールドワークおよびインタビューをもとに、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』と地域のタイアップを研究しております。

今回は、あげつち商店街の核店舗へのインタビューを紹介します。
アニメとタイアップする地域、すなわち舞台や聖地を研究するうえで、その基礎として何を知るべきかを自分なりに調べたものです。

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より詳細な紹介

あげつち商店街は、静岡県沼津市の狩野川沿いにあります、沼津市内でも特に古い歴史を持ちつつも、新しいイベントの創出や、新規出店を増やす試みなどを継続的に行い、市内でも低いシャッター率を誇ります。そして、経済産業省から2016年5月に「経産省選定はばたく商店街30選」に選ばれるなど、日本国内でも注目を集める商店街です。

この商店街は、2016年夏に放送された、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』では、そのキャラクタの一人、津島善子(ヨハネ)の家があるという設定となっております。
2016年夏以降、沼津市内で当該アニメとのタイアップやコラボレーションが他地域や地域企業等と行わている中、あげつち商店街にある写真館である、つじ写真館さんが中心となり、あげつち商店街でもファン活動的に作品を応援したり、公式とタイアップしたコラボレーション企画が行われるようになりました。
ともすれば、最近のあげつち商店街の活気は、ラブライブ!効果によるものとファンの目に映る可能性もあるのですが、先に述べたように、あげつち商店街は従来より非常に面白い取り組みを行っており、今の賑わいはそのような商店街の歴史や文化の連続上にあると言えると考えます。

そこで、今回は、あげつち商店街の皆様からインタビューを行い、なぜ作品を応援し始め、コラボレーション・タイアップに至るようになったのかや、あげつち商店街の歴史や文化についてお話を頂戴いたしました。
アニメそのものではなく、ある作品とある土地が結びついたとき、どのような化学反応が起きるのかを研究している身としてとても興味深く、またインタビュー等にご協力いただく中で、多くの商店主の方より、あげつち商店街の歴史をまとめてほしいというご依頼もあり、本書の作成に至りました。

今後も、継続して、あげつち商店街の歴史、文化について調査を行わせていただき、地域に貢献できる研究を続けて行きたいと考えます。
本書では、ご協力いただき本書に掲載させていただきました、あげつち商店街振興組合様、つじ写真館様、ノーブル様、グランマ様、浜忠様、および、次回以降掲載させていただきたく思います、阿見屋様、井筒屋様、Lot.n様等には、多大なるご協力をいただきまして、御礼の言葉を述べさせていただきます。

ご興味のある方は、コミケにいらしていただきますか、または同人誌専門書店への卸も検討しております。
また、あげつち商店街様へも寄贈させていただく予定です。なにとぞよろしくお願いいたします。

C91お知らせ ラブライブ!サンシャイン!! 聖地・舞台 沼津研究本(3日目U26a)


3日目 U26a テクノコスプレ研究会

新刊 A5 500円 40ページ

書籍名
アニメ舞台と地域社会 静岡県沼津市 『ラブライブ!サンシャイン!!』
早期から地域にてタイアップを実施した企業へのインタビューから捉える
地域振興、聖地巡礼、企業タイアップとフィルムコミッション

内容紹介

2016年夏より、沼津でのフィールドワークおよびインタビューをもとに、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』と地域のタイアップを研究しております。今回は、伊豆箱根鉄道株式会社様および株式会社淡島マリンパーク様へのインタビューをもとに、早期からの作品とのタイアップがどのようになされたのかについてを紹介し、アニメとタイアップする地域、すなわち舞台や聖地において、どのようなことが大切かについて考察したものです。
この内容は、2016年冬に学術誌に投稿した論文をもとに作成しています。

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