昨年、とある焼肉チェーン店が「女性のみ半額」というキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンは良い意味でも悪い意味でも世間の耳目を集めたのですが、私はその際にこれがきっかけで人権侵害を受けることになってしまったというお話です。
ちなみに牛角食べてた時はこんな感じ(女装)で、VRChat民の一部ならできる(はず)の、常時喉から女性声を出すプレイでした。ただ、自分から女と言ったわけじゃないので(クーポン画面も嫁さんが出した)、店側が女と判定しただけです。 https://t.co/iCsvNQrSzW pic.twitter.com/ZuoN6e8Qx1
— あしやまひろこ(月曜日 東3 エ16a) (@hiroko_TB) September 10, 2024
私は身体の性別が男性で、性自認もおそらく男性ですが、日ごろから「女装」もするし「女声」も出せるのですが、そんな存在が妻(女性)と一緒に、某焼肉チェーン店の女性半額キャンペーン実施時に店を訪問したところ、予約や会計処理等をすべて妻が実施し、店員による特段の性別確認もなく、半額料金が適用されて会計処理が終了したという話です。
これをTwitterに書き込んだところ「詐欺ではないか」という指摘が複数あったのです。
確かに言われてみると、男性であるにも関わらず女性料金を適用させるために「人を欺いて財産上の利益を得たり、他人に得させたりする犯罪」を行ったとも捉えられかねないために、某チェーン店の本部に問い合わせを行いました。ただ、自分もただ単に好きな恰好をして行っただけで、欺いてやろうと思ったわけでもないので、これで犯罪者扱いされるなら非常に困る話です。好きな服を着て飲食店に行っただけで犯罪が成立するってどういうことなんでしょう。というより、好きな服を着て飲食店に行って、その店員が指定した料金を払っただけで犯罪者扱いされるということ自体が非常に不愉快です。
それで、問い合わせの結果なのですが、いったん責任者より回答するという回答がありました。ただ、「詐欺ではない」ということだけはおっしゃっていました。
牛角の流れ
— あしやまひろこ(月曜日 東3 エ16a) (@hiroko_TB) September 11, 2024
①夫は牛角のメールフォームへ「性表現が女性」は女性か聞くが返答なし(※当時のフォームには回答しないことがあるとは書いてなかった)。
②ポストセブンの記事において、店舗毎に判断すると見解を公開し、夫はそれを確認した…
その後、店舗責任者から電話があったのですが、驚くべき内容でした。
牛角川口店からお電話でご連絡いただきまして、少なくとも詐欺にはなってないことだけは判明しました。
— あしやまひろこ(月曜日 東3 エ16a) (@hiroko_TB) September 12, 2024
……しかし、口頭での回答や見解はかなり問題が全国的に発生するような内容だったので、正式回答ではないということにしまして、追って正式回答をくださることになりました。
どんなことを言われたかというと、店舗マネージャーは「私のことはもともと男だと思っていたが、店員がミスして女性料金を適用させた」 と説明したのです。
これには私は非常にびっくりしました。もし私の内心が「女性」だった場合、いったいどれだけ傷つくか想像つかなかったのでしょうか。あるいは、私の内心が「男性」だったとして、「あなたの容姿や振る舞いは男性的です」と第三者から評価されたことになります。これは、私はミスジェンダリングの一種だと思われ、深刻な人権侵害であると受け取りました。
ですので、こちらからその旨を申して、再度回答をいただくことになりました。
この問題はかなり深刻で、埼玉県の条例を考えてもあってはならないものだと思われます。
牛角の件、かなり厄介に思えて
— あしやまひろこ(月曜日 東3 エ16a) (@hiroko_TB) September 12, 2024
①牛角に錯誤があった場合、詐欺が成立してる可能性がある
②しかし詐欺だったとして、詐欺を回避するために「性自認」を告げる必要があったが、性自認の公開を迫ることは埼玉県条例に反する
③そもそも性自認によって差別的取り扱いをすることは埼玉県条例違反
う〜ん
そして、結局最後の回答としては、「当時接客したアルバイト店員が不在のため、詳しい事情は分からない。しかし会計上そのように処理してしまったのは焼肉店側の処理の問題であり、それに関しての返金は求めない。」というものでした。
牛角の件、先方は「詐欺ではない」と断言しているようだが、当時接客したアルバイトスタッフの認識がどっちだったのかは結局うやむやなので、詐欺の可能性は否定できないが、しかし認識がどっちだったのかが「不明」なので結局、詐欺もミスジェンダリングもうやむやになりました。
— あしやまひろこ(月曜日 東3 エ16a) (@hiroko_TB) September 18, 2024
牛角に異性装者が行って、女性限定割引が適用された件……正式回答を得たには得たのだけれど、結局「何も考えてませんでした」としか読み取れない場当たり的な対応で、ある意味でセクシュアルマイノリティのことはそもそも眼中になかったということらしいです。残念。
— あしやまひろこ(月曜日 東3 エ16a) (@hiroko_TB) September 18, 2024
しかしですが、その過程に深刻な人権侵害が生じていたのは事実であり、これはトランスジェンダーやクロスドレッサーにおいて、男女別料金が設定されると、当人が犯罪者になるのか、あるいは性自認か身体的な性を強制的に告白させられるか、といった深刻な問題が生じるという話です。
私は焼肉チェーン側に対して「表現する性」も「性別」の一種として取り扱うならば整合性はとれるがどう考えているのか?とも問い合わせていましたが、こちらに関する返答は特にありませんでした。
「性別」の定義にもし「表現する性」が含まれるならば、今回のような問題は起きないわけです。
ただ、そもそもにおいて、他者が他者の性別を判断してそれを本人に告げる、という仕組みそのものが人権侵害的であり、 男女別料金を設定するならば、本人の自己申告にすべきではないかと思うところです。
そんな馬鹿な、、、と思ったけど、たしかに牛角のことを一般化して考えると「トランスベスタイトが男女を分けた割引イベントに参加した場合、詐欺か性自認の告白の強制か差別的取扱いか、のどれかが自動的に発生する」という話だぞこれ……。
— あしやまひろこ(月曜日 東3 エ16a) (@hiroko_TB) September 12, 2024
トランスベスタイトはセクマイの一種なのかどうなのか怪しいところではありますが、とはいえ表現する性は自由であってよいし、それによって性自認ないしは身体性の告白が強制されるようなことはあってはならないと思われるところです。
だとするならば、①性別は自己申告とする、②表現する性も「性別」として取り扱う、のどちらかでしかないと思います。
しかし、よく考えてほしいのですが、焼肉店の店頭で男女どちらかを店員が判断しているときは、その人の「見た目」で判断しているのですから、当然「表現する性」によって判断していて、それが概ね多くの場合では、「性自認」=「身体性」=「表現する性」になっているだけに過ぎないという話でしょう。
ですから、男女別キャンペーンを実施しようとしている事業者については、人権侵害にならないように、そもそもそのキャンペーンにおける「性別」の定義とは何なのか、性別はどのようにして判断されるのか、を明確にして、このようなマイノリティが困難に直面することのないように取り計らって頂きたいです。
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